営業部SHIMです。
7/17に西日本も梅雨が明け、
今日も日差しが強くて、じっとしていても汗をかく暑い一日でした。
さてさて、
しばらく読書なるもの、しておりませんでしたが、
先日、ある人から無理やり本を奪取して久しぶりに読書してみました。
ブックタイトル 有川浩著『レインツリーの国』 新潮社刊
見知らぬ20代の男女に、10年前に読んだ忘れられない
同じ本の存在があって、
偶然見つけた女性のブログサイト「レインツリーの国」に
男性がメールを思わず送ってしまったことが
この物語のスタートになってます。
その後のふたりの展開は
メールのやりとりを続けていくうちに、あっという間に打ち解けあい、
お互い素性も顔も知らない同志が、
どうしても会いたいをいう衝動に駆られて、、、
初デートの時、
男性は女性の衝撃的な事実を知ることになり、
その後はお互いの感情がもつれケンカやいざこざもあったりで、
メールだけが頼りの細い糸が今にも切れそうな・・・
あやふやなもどかしい関係のまま
時間だけが過ぎていく。
衝撃な事実とは、彼女には聴覚障害者でありました。
彼女いわく「コミ」(コミュニケーション)が
上手に取れないことで、
健常者にとって日常の良くある何でもないことが
聴覚障害を持つ人にしたら想像もできないほどの
苦痛だったりつらい思いをしたりと。。。
実は、最後の章「歓喜の国」だけまだ未読なんで、
そんな苦難を乗り越えて、再びお互いを信じたい、
この人なら信じれるといったエンディングになるんでしょうかね。。。
それとも、
お互いにとって忘れられない本のストーリーのように
最後の最後に、ふたりに更なる試練を与えるような、
思いもしない結末が待っているんでしょうかね。。。
あらすじは以上のような感じです。
著者が各章題として作中からキーセンテンスとして引用しています。
第1章「直接会うのがだめなら、電話だけでもどうかな」
彼から彼女へのメールに書かれた一文。
いわゆるバーチャル的恋愛感情が芽生えって感じでしょうか。
ブログやメールといったネット世界での出会いを
「起」とすることに著者の若い年代を感じます。
第2章「重量オーバー・・・だったんでしょうか」
初デートでデパートのEVに乗り込むシーンの後の彼女の台詞。
彼女が周囲には判らないようにしていた聴覚障害者ということが
彼にも知れてしまいます。
この小説で避けて通れないのがこの「聴覚障害」です。
それこそ、彼・彼女の関係の障害にもなります。
また、第1章での出会いがネットのテキストで無ければ
ならない理由になっていますね。
聴覚障害のことがわかりやすく書かれていることが、
もし自分自身、これから聴覚障害を持った人と接することがあれば、
とても参考になる章です。
「承」
第3章「傷つけた埋め合わせに自信を持たせてあげるってほんとに
親切で優しくてありがとう」
彼女からの彼へのメールでの一文。 嫌味な一言です。
お互いのことを理解しているつもり・・・が逆目にでて
ケンカしたりで、気持ちがすれ違ってばかり。
このまま関係断絶か?と思わせます。
だけど、彼は熱いハートの持ち主で真剣に相手を思いやる気持ちは
当初は暑苦しいと思いましたが良い人だなと思えた反面、
ただ彼がこれほどまでにポジティブなのには
ちょっとどうなのかと・・・。(SHIMにとってはやや絶句ぎみです)
「転」
第4章「ごめん、君が泣いてくれて気持ちええわ」
彼の辛い思い出(親父の闘病生活の下り)が語られるシーン。
お互いに違った辛さを持っているので、補いながら
進んでいけば良いと思いましたが、
若い二人にはそれを乗り越えるのには
まだまだ大変なことだったようです。
メールでしか繋がっていないことを不安に思う彼としては、
彼女からのメールが途絶えた間の気持ちは
やるせないもどかしい気持ちだったんだろうな。。。
「承」
第5章「歓喜の国」
まだ読んでません。。。
全般的に
彼が関西出身の設定なので関西弁で会話をしていますが、
その会話のやり取りが生き生きとしていてる感じがします。
無駄な事も話してしまうのも関西人気質なんでしょうか?笑
プロットが単純なことで、登場人物も数人程度で
わかりやすい表現を駆使して、
会話重視(そのほとんどがメールのやりとり)なので、
とても読みやすく仕上がった本になっています。
一読いかがでしょうか?