このページの先頭

株式会社カクタス cactus

ブログ

コロナ禍のエンタメ

2021.07.21 スタッフブログ

こちらのページをご覧いただいている皆様、アクセスいただきありがとうございます。

東京オフィスメンバーのKと申します。

前回の初投稿から時間が経つのは早いもので、今回は二回目の投稿です。

 

今回は「コロナ禍のエンタメ」について少しお話してみます。

 


 

このコロナ禍を受けて、多くの方がお仕事や学業に多大な影響を被ったことは勿論、

特に外出や、集団で何かすることを趣味にされている方々はプライベート面でも非常に大きな忍耐を求められていることと思います。

 

私自身バンドLiveに現地参加することが趣味なのですが、4月末に争奪戦を勝ち抜いて入手した現地チケットが、直前の緊急事態宣言再発効のために紙屑になって涙しました。

*開催当日が目前にも関わらず、宣言に全面協力することを決断し、無観客講演を実施しました。個人としては残念でしたが、その決断に敬意を表します。

 

 

以前から「緊急時(=災害時)」においては、テレビ、音楽、スポーツ、映画等々、「楽しむための産業、エンタメ」は「不謹慎」というキーワードで「自粛」を余儀なくされることがあり、議論になってきました。

その根底には「基本的に生存に必須ではないから。衣食住とは関係ない贅沢品だから」という意識があるのだと思います。

この点についても色々な考えがあると思いますが今回はひとまず置いておきます。

 

 

今直面しているコロナ禍においてエンタメ業界が受けている影響は、不謹慎問題などの心理的なモノだけではなく、「人が集まることが危険に直結する」という現実的なリスクが存在するため、地震などの災害時とは方向性が大きく異なります。

 

そのため、多くの興行団体や、放送業界、それらに所属するアーティストやタレントが計画を狂わされたり、予定していたイベントを中止せざるを得ない状況となりました。

もちろんスポーツ選手もこの影響に晒されましたし、視野を広げると外食産業の方々も「基本的に生存に必須ではないから」というくくりで安易な圧迫を受けているように見えます。

こうした影響は間違いなくネガティブなモノですし、金銭的に莫大な損害が発生しているのは間違いありません。

 

しかし、「災害時の自粛」と比べて今直面している困難へのリアクションとして、とてもポジティブな、前向きな気持ちになれる影響も見られると私は思います。

 

 

一点目はただ自粛するのではなく、「どうすれば実施出来るのか」「何か新しい工夫は出来ないものか」とこれまでにない多くの試みが為されていること。

 

例えば、映画館の座席を1席間隔で空ける運用。


 

収益面に大きな問題は残りますが、今までのすし詰めよりも間違いなく快適です。従来では試すことも出来なかったので新しい付加サービスの可能性として捉えることができます。個人的には「ひじかけ領土空気読め問題」が無くて気楽でした(笑)

 

例えば、バンドLiveや演劇のオンライン有料配信。

いわゆるペイパービュー(見たい番組単体にお金を払う)方式として従来からありましたし、米国などでは比較的普及しているようですが、日本ではなかなか根付いていませんでした。

無観客Live時に苦肉の策で導入が進んだのだと思いますが、

新しい習慣の一つとして爆発的に認知されたのはとても良いことです。

従来はチケットが取れなければそれまででしたが、今後は「現地に行けなくてもリアルタイムで参加できる」という新たな選択が生まれました。

 

例えば、地方産の美味しい食材をサブスクで購入出来るサービス。

外食が出来ない影響で、急速に食品関係の配送サービスが普及したのは周知のとおりですが、「どうせ取り寄せるなら」ということで地方の銘菓などに注目が集まっていて、少しでも地方還元が進むのではないかと思います。

 

これらはそれぞれの業界の方が苦しい状況の中、様々な工夫を凝らした結果新しい価値が創造されたもので、きっと改善を続けながらコロナ後も良い影響として残っていくのでしょう。

 

 

二点目の良い点は「この状況に負けない」という強い気持ちを持って逆境すらパワーに変えて取り込み、より素敵な作品として送り出そうというエンタメ業界の気概です。

 

「キネマの神様」という映画作品があります。

原田マハ原作を元に松竹映画100周年記念作品として企画されていたこの映画は、

故・志村けんさんと菅田将暉さんのダブル主演が予定されていました。

昨年志村さんが急逝され、緊急事態宣言による撮影中断も重なり、一時は公開を危ぶまれましたが、志村さんと関係の深い沢田研二さんが役を引継ぎ、8/6にようやく公開されます。

代役が決まった際、沢田さんは「志村さんの、お気持ちを抱き締め、やり遂げる覚悟です」

と語っておられました。

 

「図夢(Zoom)歌舞伎『忠臣蔵』」という新しい歌舞伎があります。

歴史ある歌舞伎が、このコロナ禍に対抗する試みとして、まさかのZoom(遠隔ビデオ会議などに使われるソフト)を利用して歌舞伎三大名作の一つ「仮名手本忠臣蔵」をリモート配信してしまおうという前代未聞の試みです。

ただのリモート配信ではなく、「最初からZoom配信に最適化して一から舞台メイクしている」のが特徴で、ライブチャット機能を導入して観客がリアクション出来たり、配信を意識してギリギリまでカメラが演者に近寄る演出を導入するなどの工夫がされています。

伝統だけに拘らず、時代にあった手法で良い物を!という想いの結晶です。松本幸四郎さん、市川染五郎さんといった誰もが知る名優が出演し、7/25に最終回が開幕します。

 

 

「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」というアニメ映画があります。

コロナ禍による作品制作の遅延や、緊急事態宣言による劇場公開の遅延を乗り越え、9年の製作期間を経て3/8に公開されました。

(注:そもそもコロナ無関係に8年かかっているのですがそれはまた別の話(笑))

この作品は東日本大震災に影響を受けたと思われる描写が散見されるのですが、劇中にこのようなセリフが出て来ました。

 

「ニアサー(*1)も悪いことばかりじゃない」

*1劇中における地球規模の大災害のこと

 

上記の災害に責任を感じてふさぎ込む人物に、旧友が投げかけた言葉です。

震災のことを暗喩していると想像が付きますが、コロナ禍と読み替えても意味が通りますし、製作者も多少なりと意識していただろうと思います。

奇しくも今の現実に刺さる作品になっていました。

 

 

以上、ごく一部を紹介しましたがこの他にも多くの作品や試みが発表され、一つ一つに製作者の熱いメッセージが込められているように感じました。

きついことはまだまだ続きますが、その中でもプラスを生み出していくこと、出来ることを考え続けることをやめないようにしたいと思います。

 

思いもよらず、長文になってしまい申し訳ないです。

学生時代にエンタメに片足突っ込んでいたものでついつい熱くなってしまいます(笑)

 

最初の方に「エンタメは贅沢品」ということを書きましたが、私は「必需品」だと思います。しんどい時こそ音楽や映画からパワー、貰えますから。

コロナ禍でも上記のような色々な試みが為されていますので、ご存知無かった方は少し覗いてみてください。そしてお金を落としていきましょう(笑)

 

最後に弊社の話を少しだけして終わりにします。

昨年から対コロナの取り組みとしてリモートワークのための装備やルールを作り、現在でも継続しています。

コロナが無ければなかなか取り組めなかったと思いますが、リモートワークの体制は仕事の効率化や大規模災害時の事業継続にも有効で、ひいてはお客様へのサービス品質の向上にも繋がると考えています。

これからも良い文化は改善しつつ継続し、

 

「コロナ禍も悪いことばかりじゃない」

 

に出来るように努力していきたいと思います。

 

読んでいただきありがとうございました。また次回お会い出来ればと思います。

*画像はイメージです