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東京オフィスメンバーのKと申します。
私が記事当番となるのも今回で三度目となりました。
首都圏では緊急事態宣言も明け、ワクチン接種率も過半数を大きく上回るなど、出口へ向けての光が見えてきたこの頃ですが、今回は「with」とも呼ばれる「今後」に関連する話題をさせていただこうと思います。
九月上旬。とある野外音楽イベントに参加してきました。私個人としてもワクチンを接種し、マスクはもちろん携帯消毒スプレーを持参し、入念な準備をしていったのですが、会場の体勢も考え得る限りの厳戒態勢となっておりました。
もともと該当イベントの主催は国内でいち早く、
「ルール徹底した上での有観客音楽イベント」を率先して実施してきた興行主です。
2020年夏の段階から
<電子チケットのみへ移行>
<当日の本人確認+cocoa導入必須>
<入場前の検温および消毒>
<物販会場入場前には問診票の記入必須>
<野外でも仮設トイレ近辺に消毒完備の手洗い場設置。接触リスクを減らすために蛇口を触らないよう指導&水は常時流水状態>
<所属アーティストへの早期ワクチン接種>
<外部からの招聘アーティストやスタッフへのワクチン接種奨励>
<これらルール解説の動画を作成公開し、周知徹底>
<観劇中の発声禁止>
<観客席は全て1席ずつ空ける>
<興行後の集会等を自粛するよう出演者からも呼びかけ>
といった多くの対策を率先して導入する姿勢を見てきました。
ひたすら自粛をする、という選択肢も勿論ありますが、「仕事を止めない、なくさない」という観点との両立を目指して活動する姿勢にもう一つの選択肢を見る思いでした。
主観にはなりますが、この興行主のイベントに参加するファンの多くもこうした姿勢を理解し、「協力しよう、やれることをやろう」というコンセンサスが出来ていると感じています。
正直音楽イベントで声援禁止は今でも違和感がありますし、しんどいです。
だってテンション上がりますし、みんなで盛り上がるために現地参加するんですから。
でも、少なくとも聞こえる範囲では「発声禁止」を破る様子は見たことがありません。
私もそうですが、「ここまで苦労してイベント開催してくれた主催者や、アーティストにファンとしても応えたい。協力したい。裏切りたくない」という強い思いがあるからだと思っています。
最も印象的だったのは、イベント後の退場時のことでした。
出入口の混雑を回避するため、アナウンスに従った規制退場が実施されたのですが、当日は生憎の大雨。加えてかなり気温も低かった。
5000人近い人数が規制退場するには軽く60分はかかります。
しかしみんなじっとレインコートのフードを目深にかぶって退場アナウンスを待っていました。
身勝手に出入口に殺到するような人はほぼいませんでした。
退場の直前、カーテンコールで普段強面なパフォーマンスをされるメインボーカルの方が涙ながらに
「直前まで本当に開催できるかわからなかった。ギリギリまで感染対策を含めて調整してくれた運営スタッフと、ルールを守って参加してくれるファンのおかげだ」
ということをおっしゃっていました。
周りの方にインタビューしたわけではありませんが、雨の中じっと退場を待った皆の気持ちは、ボーカルの方が発言されたような、コンテンツに関わる大勢の想いをこれからも守っていきたい、という一点だったように思います。
これから感染症がどのように推移していくのかはまだ誰にもわからないと思いますが、自粛だけでは限界があります。エンタメだけでなく、飲食業や旅行業の方にとっても一刻も早い流通の復活が望まれているでしょう。
感染対策自体が手探りで100%の正解があるわけでもないですが、少なくとも自治体が決めたルールや、そのお店、イベントが定めたルールは遵守していきたいと思います。
解放ムードで身勝手な振る舞いをすることは、自分の好きなお店、場所、人物の努力を無にしてしまうかもしれません。
皆で負担し、皆で乗り越えていくことを念頭に、「with」の生活を始めていきたいと思いました。