今日(5/28)、近畿地方も梅雨入りしました。
あのジメジメとした鬱陶しい季節の始まりです。
営業部shimです。
さてさて、
ネタが無いんで、、、読書感想文シリーズで
今回のブログはニゲテマス。
奥田英朗さんの小説「邪魔」を読んでみました。
以前、同僚のKAZUに奥田秀朗の「最悪」を借りて
読んだことがあり、面白かったのを覚えていて
古本屋で見つけた時、迷わず買いました。
以下、これから読むつもりの方は読まないように・・・・。
ネタバレたくさんありますんで。。。。
複数の登場人物の事情と思惑が絡み合い、進行していく長編犯罪小説です。
「最悪」も読みごたえのある長編でしたが、
「邪魔」の方がストーリー展開はぐっとシリアスです。
素行不良の高校生裕輔、
刑事の久野、主婦の恭子、
主にこの3人の視点で語られていきます。
恭子(KYOUKO)。
サラリーマンの夫と二人の子供がいて、近所のスーパーでパートをし、
夢は最近買ったマイホームの庭に色とりどりの花壇を作ること。
本当に、どこにでもいそうな、平凡で幸福な主婦そのものです。
物語が進むにつれ、どんどん彼女が追い詰められていく様に胸が痛みます。
家族にも頼れず、職場でも居場所をなくした、
恭子の孤独に唯一共鳴したのは刑事の久野(KUNO)だけだった。
久野が恭子を尾行する場面は何度読んでも涙が出そうになります。
「踏み外すのなんて簡単だな」との恭子の思いが胸に迫ります。
現状を壊したくないあまりに、
結果的にもっとひどい状況を引き起こしてしまう。
実際にそういうことって,
自分の周囲にも多いような気がします。 (知らないだけで・・・。)
適切な例えではないけれど、
車で信号無視をして、警察の追撃を振り切ろうとして
人身事故を起こしてしまうとか。。。
はじめから、潔く腹をくくればダメージはゼロではないけれど、
最小限で済んだはずなのに。
素行不良の高校生裕輔(YUSUKE)、
刑事の久野の二人も、軽い気持ちで、しでかしたことが
後で大きな痛手を負うことになる。。。
小説のクライマックスでの、恭子のが独り言・・・
「踏み外すなんて簡単だな。」
読み終えて二週間ほど経ちますが、、
まだまだ脳裡にこびり付いている言葉です・・・。
この三人以外に、
久野の亡き妻の義母の存在もこの小説には
大きな役割を果たしています。。。
最後の最後、思いもしない結果が久野を待ち受けていたとは
驚愕を覚えました。
ストーリーの緻密さ、心理描写の鋭さにどんどん引き込まれて、
(読んでいて、そのまま映像としてイメージできるから)
長い長いストーリーですが、ほぼ一気に読んでしまいました。
おわり。